コンサルティングファームは候補者の能力を測るために独特の選考形式を採用しています。この記事では、その中でもコンサル特有の面接形式であるケース面接についてその特徴と対策を紹介します。
ケース面接とは?
ケース面接は与えられた問いに対して制限時間内に打ち手を提案するもので、候補者の問題解決能力を評価するための面接形式です。
ケース面接では問題解決能力だけでなく、困難な状況に対面した際の対応力や思考力、さらにトーク力もケース面接においては評価されるポイントです。
ケース面接で評価されるポイント
ケース面接では結果だけでなく、そこに至るまでの過程が見られています。また、ケース面接は「候補者=コンサルタント」「面接官=クライアント」の役割イメージで、クライアント対応を想定して行われています。クライアントとの会話の中で急な質問に対してしっかりした回答を導くことができるか、という視点で見られていることに注意しましょう。
以上のことを踏まえて重要なポイントを紹介します。
論理的思考力
コンサルタントとして問題解決に取り組むために論理的思考力は必要不可欠です。事実と意見を分けて考えることや本記事で紹介する考え方を用いて、MECE(モレなくダブりなく)の考えに沿った問題解決ができるよう心がけましょう。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力がある、というのは「納得感を相手に与える提案ができる」ということです。そのためフレームワークや解答例を丸暗記して、本番のケース面接で早口でひけらかすような候補者は内容に関係なく高確率で落とされてしまいます。
また、トーク力だけでなく見た目の印象も重要になります。外見で説得力を損なわないよう、面接の中身だけでなく、清潔感など身なりにも注意するようにしましょう。
ケース面接のパターン
ケース面接はその目的によって3つのパターンに分類することができます。これらのパターンは独立しているわけではなく、複数の特徴を持った問題が出ることもあります。
利益目的
ビジネス関係の経営戦略について取り扱うケース問題です。具体的には「スターバックスの売り上げをあげるには」など、売上を向上させたりコストを削減させたりするビジネスケースがあげられます。
公益目的
こちらは政府や自治体といった公共機関による公共政策であったり、NPO団体などによる運営戦略であったりを取り扱うケース問題です。具体的には、「地球温暖化を解決するには」「年間献血量を増やすには」といったものがあげられます。
個人効用
これは個人の問題解決を取り扱うケース問題です。具体的には、「睡眠を改善するには」などがあげられます。
ケース面接に臨むために知っておきたいこと
ケース問題はコンサルティングファーム特有の面接形式であるため、十分な対策を行うことが必要です。この段落では、ケース問題を解くための考え方について紹介します。
考え方について
ケース問題を解くためには論理的なステップを踏んで考えることが大事です。この段落では、ケース面接を説くために覚えておきたい、論理的なステップを解説します。
まず問題を与えられた際に、しっかりと定義づけを行うことで問題の方向性を定めることが大事です。時には面接官に確認を行うことで認識のズレをなくすように心がけましょう。
ケース問題に取り組む際には、その問題をしっかりと構造化して現状について考えることが重要です。この作業を怠ってしまうと後のボトルネック特定の際にモレやダブりが生まれてしまいまうので注意しましょう。
問題を構造化する際にはフレームワークを適切に使うことで構造的に物事を把握することができます。
問題の現状について構造的に把握することができたら、どこが一番の問題(ボトルネック)となっているかを考えます。
上で考えたボトルネックに対して効果的である打ち手を考えていきます。
出てきた打ち手を評価して最終的に最も効果があると考えられる打ち手を面接官に提案します。評価の際には効果だけでなくコストなどの面の実現性や実現までの時間などの面も含めましょう。
ケース面接の対策方法
ケース面接の対策としてはインプットとアウトプットの両方が重要になります。この記事で紹介した考え方を身に着けたあとは、問題例を調べ問題解決に取り組むことで実際に解答を導き出すプロセスに慣れるようにしましょう。そのために日頃からケース面接のような思考の訓練を行うことが大事です。
相手に納得してもらえるコミュニケーションが行えるよう、友達といるときなどに「今コーヒーを飲んでいる人は何人いるか」のような簡単なテーマで練習を行い、相手に納得してもらう練習を積みましょう。
『問題を解く力を鍛えるケース問題ノート(東大ケーススタディ研究会著)』
『地頭を鍛えるフェルミ推定ノート(東大ケーススタディ研究会著)』
『仮説思考、BCG流問題発見・解決の発想法(内田和成著)』
などがケース面接の対策でおすすめの本になります。
ケース面接の問題例
ケース面接に対応するためには、解き方やフレームワークのインプットだけでなく、実際の問題を解きアウトプットの練習も行うことも重要です。この段落ではケース面接の問題例を紹介します。以下で紹介する問題例なども活用し、十分にアウトプットの練習を行いましょう。
例題1:新規事業の検討
あなたは、ある小売企業の経営陣から、新規事業の検討を依頼されました。新しい事業の提案には、市場の需要があること、競合優位性があること、かつ投資リターンが見込めることが求められます。どのようにして新しい事業の提案を行いますか?
例題2:プロモーション戦略の策定
あなたは、あるスポーツ用品メーカーのマーケティング担当者として、新商品の販売促進のためのプロモーション戦略を策定することになりました。新商品は競合他社と比べて優れた機能があり、高価格帯であるため、ターゲット顧客層の開拓が必要です。どのようなプロモーション戦略を考えますか?
例題3:コスト削減策の提案
あなたは、ある自動車メーカーの部品調達担当者として、コスト削減策を提案することになりました。部品調達にかかる費用が高騰し、コスト削減が必要とされています。どのような提案をしますか?
ケース面接は日頃の練習が重要
ケース面接を突破するためには考え方やフレームワークなどをインプットすることも大事ですが、それらと同様に日頃から納得感のある提案を行う練習をすることが大事になります。この記事の内容を踏まえて練習を繰り返し、ケース面接を突破しましょう。